樋口一葉の涙

小気味よいリズムとシーン転換の滑らかさ、細やかな衣装や情景の描写、いちいち心理説明はしないけれども、心の襞が垣間見える会話。若くして父と財産を失くして、一家を支えることになった樋口一葉。生活苦と病気と闘いながら誰もやったことのない執筆をすすめた。ときに現代の清少納言だ紫式部だと持ち上げられ、いやただの目立ちたがり屋の貧乏人だと蔑まれながら、わずか24歳の生涯を駆け抜けた。
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一葉が小間物屋をしていた当時の町並みを再現した模型や一葉の旧宅を詳細に再現している。あたかも一葉がせっせと働いている様子が想像される。
水道もガスもない時代、炊事・洗濯ですら大仕事だった。質屋通いをしながら小説を書いた。書き直し、また書いた。
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一葉は方正な人だった。自らに厳しくきちんとする人だった。着物は洗い張りして縫い直して着た。

 寝ざめせしよはの枕に音たてて なみだもよほす初時雨かな
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稀有な才能も貧乏と結核には勝てなかった。
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一葉の葬式には質屋からの香典が届いたという。
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お金には苦労した一葉がのちに5000円札の肖像になるとは哀しい皮肉である。

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by yumehonclub | 2016-03-07 16:44 | Comments(0)